主に食糧や輸入制度(豚肉の差額関税制度)の問題点などについて解説しています。

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日本産豚肉にとって有望な台湾市場を知ろう 豚シャブやトンカツがブーム


最近は海外向けの食肉の輸出がマスコミや雑誌などで大きく取り上げられ始めている。世界のGDPの4割を占める経済圏となるTPPの来るべき発効を見据え、これまでのひたすら輸入障壁と国内保護を手厚くする守りの姿勢から我国の農業界のかなり多くの分野において、守るだけでは無く世界に優れた自分たちの産品を積極的に輸出しようという新しい動きが出始めており目に見える成果も出つつある。

またこれは、平成25年12月に和食が世界無形文化遺産になったこととも関係がありそうで、日本の産品が世界各国で注目されマーケットが広がりつつあることにもよる事と思うが、テレビなどで話題になっている和牛の状況と比べて日本産豚肉の輸出はかなり地味な扱いである。とはいえトンカツや豚シャブなど日本独自の豚肉料理も徐々に海外で注目され始めて来つつある状況ではある。

従来、日本産豚肉の輸出というと香港が最も早く、筆者が何度も訪れた事がある銅鑼湾(Causeway Bay)にあるSOGOのデパ地下の食品売り場では、黒毛和牛と並んで数年前から鹿児島の黒豚や宮城の赤豚が並び、まるで日本のデパ地下のようである。また高級飲食店などでは、それらに加えて岩手の白金豚などもメニューに記載される様になってきた。

なぜ、人口が700万人の香港が食肉に限らず日本産の食材を多く輸入しているかというと、“①所得水準の高さ②日本好きが多い③輸入制度のバリアが低い”などなど、これらが主要因ではないかと筆者は考えている。

しかしながら全体を見ると2014年度の日本産牛肉の輸出量が1,363トンなのに対して日本産豚肉はその3分の1以下の418トンに過ぎない。もちろん日本産和牛と異なり、豚肉は海外産豚肉と比べて特色出しにくいとの話も過去にはあったが、今の日本の豚肉はもっと自信を持って良い、海外各国のものと比較しても最も美味であると筆者は実感しているのである。願わくば業界をあげて、有望な海外市場の開拓に更に力を入れることを考えていただければ幸甚である。

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